もう一つの平城宮跡庭園=平城左京三条二坊宮跡庭園 |
交通の便:なら交通バス、学研北生駒駅、赤膚山、学園前駅、恋の窪、二条大路南一丁目行き乗車、宮跡庭園(イトーヨーカドー前)で下車。
◆宮跡庭園の園池遺構(現地の解説)
発掘調査の結果、この園池は奈良時代中頃に造られたものと考えられており、その頃の姿を復元したものです。奈良時代前半は園池のある場所は菰川(こもかわ)の旧河道を踏襲した水路が流れていたようで、石組みなどはなく、園池としては整っていなかったとみられています。また、園池は奈良時代後半にも存続していたようですが、建物には建て替えがみられるようです。
園池の規模は幅2~7m、総長55mで、屈曲するS字状の流れとなっていて、池に深さは0.2~0.3mの浅いものです。池の底と汀は人頭大の玉石で固められています。汀の外側は緩やかな勾配をつけて扁平な玉石が敷かれ、その外側の洲浜には1~3mの幅でこぶし大の礫が敷かれています。汀線に沿った5カ所と洲浜の外側に沿った部分の4カ所には石組みがあり、池の中にも一石ではあるものの3カ所に石が据えられています。これらの石組みは海岸もしくは渓流の景観を模したものと考えられています。また、池底の2カ所には木枠で組んだ桝が置かれていて、水生植物が植えられていたと考えられています。池への給水は池の北端に埋められて設置された木製の樋を通して行われていたようです。
◆当時の暮らし肌で感じて〜遊宴施設など復元
○…平城宮跡会場の少し東、奈良市三条大路1丁目(イトーヨーカドー前)にある特別史跡、・平城京左京三条二坊宮跡庭園。奈良時代の庭園や遊宴施設が復元されており、当時の暮らしを肌で感じられる絶好の観光スポットだ。
ただ、1300年祭に含わせて奈良市が新たな遺構の露出展示などを始めたものの、この間の1日の平均来場者は約30人といま一つ。市文化財課は「せっかく整備したのでぜひ来てほしい」とPRしている。【奈良新聞 5/1】