薬師寺三重塔 保存修理現場見学会(2) |
今回の見学では三層目まで上がり、屋根瓦が下ろされ瓦葺きの下地である土居葺の様子が見られた。思ったよりも痛みは少ない。雨漏りの後は極一部に見られるだけで、昭和の修理が丁寧だったことが判るとの話。ここらに日本の職人技が光っているのだろうと思われる。
現場には下ろされた室町時代・江戸時代・明治時代・昭和時代の鬼瓦や平瓦・丸瓦が展示されていた。瓦の大きさ・形・鬼の表現方法などに各時代の違いが見られるように思われる。瓦は目視や打音検査などで破損状況を確認し、再使用できる物は使い、使えない瓦には新しい瓦が制作されると云う。****
【鬼瓦】左:三層南西隅一ノ鬼(昭和27年)、右:二層北東隅一ノ鬼(江戸時代)
瓦下ろし終了後は、木部の解体が始まり、すべての部材の解体が終わるのは 平成26年度の予定とのこと。その間に各部材の詳細な調査も並行して行われるという。
見学できる最上階の北東隅には下ろされた水煙が置かれていて5〜6mくらいの近さで見ることが出来た(写真は禁止)。
次回の見学会は工事の進行状況を見て決めるので未定の由、今回は全国紙に余り発表しなかったので県内の見学者が多いが、遠い地方からの見学者も居られるとのことだった。
10時に受付が始まり、見学を終えたのは10時40分だった。ヘルメットを返却して金堂・講堂の諸仏を拝して帰る(東院堂の聖観音は受付前に拝する)。