奈良女子大学の地域公開講座を受講 |
講演のあらましは次のようだった
◆仏像の起源
・仏教とは、約2500年前(紀元前五世紀)インド北部ガンジス川中流域で釈迦族の王子ゴータマ・シダールタが説いた教えが基となって広まった宗教。
・釈迦入滅後、初期仏教では偶像崇拝の習慣はなかった。→ストゥーパ・法輪・仏足跡・菩提樹
・釈迦入滅数百年後に仏像が現れる→ギリシャ彫刻の影響
◆仏像の素材・技法について
塑像(モデリング) 粘土~古典塑像、テラコッタ(素焼き)
漆~夾紵(脱活乾漆)、木心乾漆
彫刻(カービング) 石
木~一木造、一木割矧ぎ造、寄木造
両方の要素 金属~鋳造・鍛造・彫金・削りだし
◆日本の仏像に用いられた主な樹種
広葉樹=楠 桂 橡 桜 ※白檀(栴檀)
針葉樹=榧 檜など(松)(椹)
◆木彫像の技法
◎一木造→頭体幹部が1材
◎一木割矧ぎ造→頭体幹部が1材でそれを割る。(共木)
◎寄木造・→頭体幹部が2材以上(別材)
◆仏像の仕上げ方法一
◎金色:漆箔・金泥・截金・蒔絵(粉溜?)・鍍金(金属)
◎壇色:壇木風な色
◎彩色:繧繝彩色など
◎木地(木地裁金)
※そもそも材料や技法などは無限に存在して、言葉でカテゴライズすることなどできない。
先人に学び、自ら工夫して自分の技法を会得していくことこそ「伝統」の継承である。
写真の彫刻は吉永氏の制作した「なら国際映画祭2012 ゴールデンSHIKA賞トロフィー