若草山にモノレール設置やなんて! ホントに必要? |
奈良県の観光振興対策特別委員会(2月23日)などの記録では、そもそも若草山の移動手段として、モノレールだとかケーブルカーという話題が出てきたのは、発信者は荒井知事であったと認識しています。県庁内で、行政の中で論議して積み上げていくのでなく荒井知事がいろいろな県民の方・・・・とある。
また、3月25日の予算審査特別委員会でも取り上げられているが、若草山にモノレールを設置するという考えが奈良県(荒井知事)が持っているという。県会側も明確に反対する処まではいっていないような観じ。
景観上、必要経費や運営費等の財政面、本当に必要性があるのか?ということが、明らかでない。しかし、東麓なら景観的には支障がないとか聞こえてくる。近鉄奈良駅行基広場の大屋根設置でも、議論の深まりのないまま強行されて経過がある。
そう思っていた矢先、先日の『奈良新聞』一面のコラム「国原譜」が、この問題を取り上げていたので紹介する。納得のいく意見と読んだ。
ジョークのたぐいに違いないが、若草山にモノレールを付ける計画があるらしい。プランを立てた人はよほど乗り物好きなのだろう▼「歩行者支援」などと役所好みの言葉にだまされてはいけない。若草山は古来、猿沢池や五重塔と並ぶ奈良を代表する風景だ。西側から見えようと見えまいと設置そのものに違和感がある▼たしかに三重目の山頂まで歩くと疲れるが、それも景気の美しさと引ぎ換える楽しみの一つ。利便重視は時代に逆行する考えだ。第一に観光客はがっかりしよう▼「あ.まのはらふりさけみれば」と阿倍仲麻呂が詠んだ古都のイメージは一本のモノレール.で壊される。たぶん全国ニュースになって「開発志向の田舎者」と笑われよう▼そんな予算があるなら、台風で壊れた滝坂道の修理や磨崖仏の保全、樹木の痛害虫防除に費やすべきで、山頂へのアクセスはバス便の復活、登山道の再整備で済む話だ▼千古の神域に隣接する場所で遊園地まがいの乗り物は不要。屋上に屋を架すとはまさにこのことだ。まさか「夢の若草リニアモータ一カー」とでも名付けるのですかね。(コ)