奈良のシカ三題 <その3> |
県は先月28日、奈良市の奈良公園周辺に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」をどう守るのかを検討する有識者7人の委員会を12月17日、奈良市の県新公会堂で初めて開催すると発表した。時間は午前10時開始。年に3回程度開催し、「奈良のシカ保護管理計画」を策定する予定で、一般の傍聴も可能という(傍聴の定員は10人で先着順)。
委員には、一般財団法人「奈良の鹿愛護会」の指導で保護活動を続ける「鹿サポーターズクラブ」の朝広佳子会長、大学からは、北海道大の立沢史郎助教(保全生態学、野生動物管理学、環境学習論)と山形大の玉手英利教授(生態遺伝学)、奈良教育大の鳥居春己教授(野生動物管理学)と松井淳教授(植物生態学、保全生態学)、京都精華大の村上興正・非常勤講師(保全生態学)、奈良教育大の渡辺伸一教授(公害・環境問題の社会学)が参加する。
委員会では、車から鹿を守る方法や、鹿の保護施設「鹿苑」の改修方法、奈良公園周辺の農家が受けている食害対策など、さまざまな鹿をめぐる課題について議論する。
県の担当者は「『鹿の保護管理計画』というと駆除のイメージが先行しがちだが、委員会では、どう守るか、どうすれば鹿が幸せなのかを議論していきたい」と話しているという。
問い合わせは奈良県奈良公園室 ℡0742-278677