奈良県庁東側に新観光拠点「よしきまち」の計画 |
博物館やレストラン、宿泊施設などを誘致して、民間に運営を委託する方針で、近く整備案を公募して、2015年度中の完成を目指すとしている。
県庁東側は県有地が多く、東大寺や奈良国立博物館などに向かう観光客の通り道になっている。人通りが多い反面、副知事公舎などの空き家もあり、活用が不十分だった。このため、15年に始まる春日大社の「式年造替」にあわせて、新たな観光スポットとして整備することを決めたもの。
中心となる吉城園は、秋の行楽シーズンには紅葉が映える庭園や茶室が人気で、外国人観光客ら年間約2万5000人が訪れる。ただ、建物の瓦や外壁がはがれ落ちるなど、老朽化も問題になっていることから現在主棟の修理を進めている。
吉城園の西側にあり、昭和初期に建設された洋館「旧青少年会館」も約40年前から使われておらず、副知事公舎も09年3月以降、無人のままになっている。県は築地塀などは残す一方、築約80年の副知事公舎は取り壊して、観光の拠点施設や低層の宿泊施設を新たに建てる。現在工事が進められている。
このほか、昭和天皇がサンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約の批准書に署名したことで知られ、今年4月に限定公開した知事公舎の旧応接間「御認証の間」は引き続き保存し、公開する日を増やすことを検討する。
県はこのエリアを『ならまち』や『きたまち』に続く、奈良市内の代表的な観光地に育てたい」としているという。