天皇即位など国家儀式に使われた旗竿の跡を発見〜平城宮跡 |
歴史書「続日本紀」によると、西宮では称徳天皇が765年に元日朝賀を、当時の天皇に次ぐ地位にいた法王・弓削道鏡が769年に大臣らの拝賀を受けたとされる。
同研究所は、復元された大極殿の南約50メートルを調査。1971年の第72次調査、1990年の第217次調査の両調査区に挟まれた場所を対象にし、476㎡(東西34m×南北14m)を調査したもの。
その結果、礫敷広場の確認や建物などを検出した。この中でも注目されるのは、幢旗を立てたとみられる2列の柱穴8個の確認とのこと。約6メートルの柱穴の間隔は平安時代の儀式書「延喜式」で定められた幢旗の間隔とも一致していた。
柱穴は細長い楕円形(横3メートル、縦約1メートル)で、1個の穴に旗竿と2本の支柱を立てたとみられる跡があった。昭和46年の調査と合わせ、東西方向に7個の穴が2列並んでいた事が確認された。
延喜式によると、元日朝賀に幢旗は7本一組。中央に3本足のカラス、左右に太陽と月の宝幢を置いたほか、四神の青竜、白虎、朱雀、玄武を刺しゅうした旗を並べていたという。今日9日までこの復原した幢旗が大極殿に展示されていて見ることが出来る。