奈良博=大和の三大茶室の1つ「八窓庵」期間限定で公開 |
奈良国立博物館は、今月8日に始まった改修工事による「なら仏像館」の休館に伴う利用者サービスの一環として、西新館南側にある庭園の茶室「八窓庵」(江戸時代中期)や、明治中期を代表する近代和風建築の「仏教美術資料研究センター」(国重要文化財)などの特別無料公開を行っている。期間は10月22日までと、11月13日から12月7日まで。
八窓庵は、興福寺の大乗院庭内から移築された大和の三大茶室の一つで「含翠亭(がんすいてい)」ともいい、江戸時代中期に建てられたもの。通常、茶会やイベントで使われる以外は非公開で、今回も内部には入れないが、窓から安土桃山時代の茶人・古田織部好みとされる多窓式茶室を鑑賞できるという。
この八窓庵は、地元に永久保存されることを望む奈良在住の篤志家数名の努力によって当時の帝国奈良博物館へ献納されたものです。明治25年(1892)に博物館の敷地に移設されました。 様式は四畳台目下座床で、草庵風になっており、入母屋造り茅葺で、天井は床前から点前座にかけて蒲天井とし、残りは化粧屋根裏になっています。
一方、仏教美術資料研究センターは、建築史家・関野貞の設計で、明治35(1902)年に完工。日本の伝統的な建築様式を取り入れた西洋建築で、県物産陳列所や奈良文化財研究所の庁舎などに活用されてきた。
今回の特別無料公開では内部の「関野ホール」で、県内の近代建築などに関するパネル展も実施している。
このほか、青銅器館も無料公開。
月曜(祝日は除く)と10月14日、11月25日休館(同研究センターは9月23日も休館)。午前9時30分から午後4時開場(青銅器館は同5暗まで)。
問い合わせは同博物館、ハローダイヤル050(5542)8600
ちなみに<大和の三大茶室>とは、この八窓庵と興福寺塔頭慈眼院の六窓庵 (ろくそうあん 現所在東京国立博物館)、東大寺塔頭四聖房の隠岐録(おきろく 東京へ移建の後、戦災で消失)と称される茶室とあわせて大和の三茶室といわれていたそうです。尚、八窓庵の写真はかつてのサンデートークで行われた見学会で撮影したもの。