猿沢池の東 南側の道を拡幅しようとしたら・・・ |
奈良市の奈良公園の名勝地の一つ、猿沢池周辺への観光アクセスとして、60年ぶりに動き出した都市計画道路・猿沢線の街路事業に、地元が困惑している。細い市道に沿って商店などが建ち並ぶ120m区間を、市は幅員12~15mの都市計画道とし、観光バスも通れるようにする計画。地元・鶴福院町の住民らは「頭ごなしの計画だ」と「有志の会」を結成し、署名に取り組むなど反対運動に乗り出した。
◆署名提出も市は「測量を」
拡幅が検討されているのは、ならまちセンターの南側から杉ケ町高畑線(ならまち大通り)に抜ける幅4~8mの市道。観光シーズンなど、車両と人が交互に行き交う様子も見られる。
市では、同区間を含む猿沢池西側―ならまち大通りの約450mを昭和30年6月(=60年も昔だょ!=)に都市計画決層。道路幅は8m(昭和41年に12mに計画変更)とすることになっていたが、問題の区間は手付かずのままだつた。
突然動き出したのは昨年3月。猿沢池周辺の整備を起爆剤に観光を活性しようと、仲川市長が平成26年度予算に測量業務の委託費を計上したことで再燃。
市は昨年10月とことし2月の2回、鶴福院町の全25世帯を対象に住民説明会を開き、事業の目的や整備内容を説明したが、住民側にとっては「寝耳に水の話」(有志の会の男性)という反応を示したという。
さらに、今回市が示した拡幅計画では、ならまち大通りとの接続点付近を幅15mとする予定で、都市計画決定後に道路から引き込んで自宅や店舗を建築した住民も、さらに減築が必要となる可能性がある。
市は説明会で住民側から特に異論が出なかったとして、ことし3月に測量業務委託の入札を実施。
しかし住民側は「60年もたって「決定しているからやります」はあまりな話。都市計画決定は猿沢池のそばに旧市庁舎があった当時のことで」交通事情も全く違う。都市計画はいったん白紙にし、現状に合った内容に見直すべき」と反発を強めている。
計画に納得できない住民8人が「有志の会」を結成して3月に町内で反対署名を集めたところ、25世帯中22世帯(93人)が署名した。同月16日に市に白紙撤回を求めて署名を提出したが具体的回答はなく、4月22日の協議で市から「測量をやらせてほしい」と言われたという。
現地には今月から、「拡幅絶対反対」ののぼりが立てられた。