獅子・狛犬8体を初公開 神獣テーマの展示開催中 |
春日大社(奈良市)で行われている20年に1度の国宝・本殿の修理「式年造替」を祝う特別公開「御出現!春日大社の神獣」が大社景雲殿で30日までの会期で開催されている。
獅子・狛犬は神職以外立ち入れない本殿の第一殿―第四殿の軒下に一対ずつ置かれていた。20年に1度の改修「式年造替」に伴い、昨年末から奈良国立博物館が調査してきた。その結果作風などから6体が鎌倉時代、2体は室町時代頃の作と判断したという。4対は高さ41~30cmで、檜製。年代の分かっている他神社の狛犬と形式を比べ、春日大社の過去の式年造替も考慮して第1殿の一対は鎌倉初期の1198年(建久七)か1215年(建保三)と最も古く、他の物も第3殿と第4殿の1体ずつが室町時代の作である他は、みな鎌倉時代の作と推定されるという。
これら本殿の神前に安置されていた鎌倉時代などの作とされる獅子・狛犬計8体が初公開されている。会場正面には獅子・狛犬8体が横1列に並べられ、それぞれ違ったポーズをとる。現在、各地の神社で見られる狛犬は石造が多いが、これらは像高40~30センチほどの木造。平安時代などは獅子・狛犬は屋内に置かれることが多く、木製小型のものだったという。
同時に展示される同大社を描いた「春日権現験記」には、体が金色、たてがみは緑や青の獅子・狛犬が登場する。 【第十巻】 【第十四巻】
このほか、「牛頭天王曼荼羅衝立」(平安時代)は摂社・水谷神社にまつられていたもので、表面に牛頭天王などが描かれ、裏面の獅子牡丹図は古い作例として貴重。「流鏑馬木像」(鎌倉時代)はいでたちがよく伝わる。
無休。午前9時~午後4時半。拝観料300円。問い合わせは春日大社(電)0742-22-7788。
◇勧進宝物特別公開(第3弾)出品日録
▽御本殿撤下獅子・狛犬
第一殿御子・狛犬・……・……‥……‥……鎌倉時代
第二殿獅子・狛犬・…・……‥……‥………鎌倉時代
第三殿獅子 ………………………‥……‥‥鎌倉時代
第三殿狛犬 ……‥……・……‥…‥……・室町時代
第四殿獅子 ・……・……・…‥……………室町時代
第四殿狛犬…‥‥………‥‥……・…・……鎌倉時代
▽獅子・狛犬史料・絵画
弘安十年当社御造替問給物支配………………鎌倉時代
文政九年獅子狛犬寸法控………………………江戸時代
春日権現験記(春日本)(第十巻・第十二巻・第十四巻)
………………………………………………江戸時代
御本殿獅子狛犬彩色図 ……………………‥江戸時代
春日神社狛犬之図・…………‥……………‥近 代
▽獅子関連宝物
牛頭天王曼荼羅(裏面獅子牡丹図)…‥…・平安時代
榎本社獅子牡丹図 ………‥……‥‥……‥近 代
御本殿御間塀獅子牡丹図写 ……‥‥‥……近 代
▽神鹿関連宝物
鹿座仏舎利 …………‥…‥‥……………‥江戸時代
春日明神像・……‥‥‥…………‥…………江戸時代
白地鹿図屏風……‥…‥………………………近 代
春日権現験記(春日本 第十五巻・第十六巻)……‥江戸時代
▽神馬関連宝物
御本殿唐鞍神馬図写衝立…………………‥‥現 代
神馬牽引図絵馬・…‥…………………………江戸時代
春日神殿飾馬之記………‥…‥………………江戸時代