第68回正倉院展もいよいよ今日7日まで |
正倉院展では18年ぶりとなるペルシャ風の水さしの「漆胡瓶」をはじめ、初出陳9件を含む64件の宝物(うち初出陳 9 件)が出陳されている。出陳宝物6件の内訳は(北倉 10 件、中倉 29 件、南倉 22 件、聖語蔵 3 件)という 。
漆胡瓶(高さ41.3cm、胴径18.9cm)は鳥の頭のような注ぎ口を持ち、ふたと取っ手を銀製の鎖でつなぐ。文様の形に切り透かした銀の薄板を「銀平脱」の技法を使い、黒漆の上に草原で禽獣が遊ぶ姿を描く。ペルシャ地方の影響を受けて中国・唐で作られたシルクロード交流の産物とされる。
また聖武天皇の一周忌で使われた長さ13~15mの大幡に関連する宝物一式が出陳されるが、さすがに大きい。
反対にその小さいことに驚いたのは撥鏤飛鳥形という象牙製の鳥3個(羽?)。長さ3.1cmとあり3個並んでいるが肉眼では細部はよく判らない。紐を通して使ったらしいがどういう使い方だったのだろうと、想像を膨らます。
古文書の数々、既にこの時代これだけの戸籍が作られていたり、高齢者(80才とあったが・・・)に対する手当等が考慮されていたのは、人口の違いがあるものの今の時代と大差が有る等と思ってしまう。「成人不用者」だったか補足紙を見ると、まさか自分そっくりとビクッとしてしまう。
▽正倉院宝庫の瓦 一昨年整備工事の完了した正倉院正倉(宝庫)に使用されていた瓦を、その調査成果が渡り廊下を越えた西新館に特別展示されていた。工事中何回か屋根まで上がって見学した事を思い出す。
▽外へ出るともう当たりは真っ暗だった。庭園の茶室「八窓庵」がライトアップされているのが幻想的だった。カメラを向ける人が多かった。
▽次の特別陳列は「おん祭と春日信仰の美術」
恒例の展示。期間は12月10日(土)〜1月15日(日)