水墨画や茶の湯、能楽- 禅と美の関連を探る |
臨済宗の祖・臨済義玄(ぎげん)禅師(~867年)の1150回忌を記念した、県立美術館の禅(ZEN)関連企画展「雪舟・世阿弥・珠光…中世の美と伝統の広がり」が、15日から奈良市登大路町の同館で開かれている。会期は11月27日(後期作品展示)まで。
座禅を修行の中心に据えて現世での悟りを目指す禅宗は、インドから中国を経て日本に伝来し、鎌倉時代以降に広まった。企画展では禅宗とともに伝わった中国の宋、元の文化の影響を受けた水墨画や茶の湯、能楽に関する作品約90点を展示する。
また、禅宗の信徒だった大和猿楽出身の能楽師、世阿弥が書いた能の脚本「世阿弥自筆能本江口」(国重文)のほか、桜井市・談山神社をはじめ県内の神社などから寄託を受けた能面も公開される。
同館は「奈良は古代のイメージが強いが、古代、中世、近世と重層的な魅力がある。禅は中世の奈良の文化形成に深く関わってきた。古代だけではない奈良の重層的な歴史の魅力を知ってもらえれば」としている。
午前9時から午後5時開館。11月14、21日休館。観覧料は一般400円、高校・大学生250円、小中学生150円。11月19日(土)、20日(日)は「関西文化の日」で、観覧無料。
◆磯城の里観光連携協議会の連携展示も
期間中、川西、三宅、田原本各町がつくる「磯城の里観光連携協議会」による連携展示もある。観覧無料。
問い合わせは同館、℡:0742(23)3968。