考古学通じ奈良の魅力発信 発掘調査情報など「橿考研通信」創刊・2号発行 |
考古学を通じて奈良の魅力を発信しようと、橿原考古学研究所(橿考研)が、研究所のできごとや発掘調査情報、イベントなどを紹介する橿考研通信(A4判)を昨年末に創刊したと新聞で紹介されたが、なかなか行く機会が無かった。ところが最近出掛けた平城宮跡資料館や奈良市埋文センターに置かれているのを見て戴いてきたので、遅まきながら紹介する。
また、「発掘を体験してみたい」という声に応えて橿考研が昨年8月に発足させた「市民発掘隊」についても紹介。養成講座を受けて登録された第1次隊員は13人で、講座の様子や隊員の声を伝えている。
企画記事「シリーズ『奈良の世界遺産と考古学』」は第1回目として、天川村の大峰山寺本堂解体修理で出土した2体の「黄金仏」や、大峰山山頂遺跡出土の重文「銅板鋳出蔵王権現像」について伝えている。橿考研で研修した中国・寧夏文物考古研究所の研究者の声も掲載されるなど、充実した内容。橿考研付属博物館などに置かれている。
▽Vol.2 <2月20日発行>
特集「考古学の楽しみ方」“ミステリー小説からみた考古学の世界” ◇小説と考古学、◇アガサ・クリスティー、◇松本清張と森本六爾、◇世相と小説タイトルという小見出しで作品を紹介し、島田一男・松本清張・横溝正史をはじめとする延べ26名の作家と作品を一覧表に挙げる。筆者は調査課の絹畠歩さん。
奈良の世界遺産と考古学(2)は“大峯奥駈道”で大峰山~小笹宿~弥山の長くて険しい奥駈道を多くの写真で紹介する。
奈良考古情報は「銅鐸を飾る様々な文様」、奈良の史跡~整備が進む唐古・鍵遺跡等。また、国際シンポ「ユーラシアからのまなざし」の報告や橿考研で研修した韓国・中国の研究者の紹介など盛り沢山の内容が詰まっている。