■特別展「柳沢淇園ー文雅の士 •新奇の画家」 |
◆約50年ぶりに柳沢淇園特別展始まる=大和文華館
日本の文人画の先駆者と称される柳沢淇園は、元禄十六年(1703)、柳沢吉保の筆頭家老である柳沢(曾禰)保挌の次男として江戸に生まれました。淇園は、吉保のもとに集った学者や黄檗僧などと交流を持ち、最先端の文化を吸収しつつ成長しました。殊に絵画に優れ、長崎派の画家英元章(吉田秀雪)に師事して「唐絵」を学びました。享保九年(1724)、主家の転封に伴い大和国郡山に移り住み、同十二年には藩主の吉里(吉保の子)より里の一字を賜り、里恭と改名します。「不行跡」のため処分を受けるという挫折も経験しますが、同十五年に家督を継ぎます。四十代に公務が充実するようになると、作品制作も活発化し、宝暦八年(1758)に没するまで絵画に真摯に向き合いました。
淇園の絵画は、濃彩で精緻に描く人物図や花果図が主であり、文人画で主流となる柔らかな筆墨を用いた「南宗様式」とは異なります。しかし、高い身分に生まれて教養を積み、為政に関わりつつ絵画表現を模索する生き方は、理想とされる伝統的知識人に最も近いと言えます。
◆華コンサート=「秋風に揺れるコスモス」
柳沢淇園の時代、ヨーロッパ宮廷に鳴り響いたチェンバロ音楽
場所:大和文華館•講堂
日時:2017年10月21日(土)
13 : 00~13 : 40 (開場12 : 40)
※入館料(930円)が必要です。
※当日10時から受付で配布する整理券(招待ハガキにて ご人館の場合、必ずハガキを持参してください)が必要 です。
着150名で入場制限をいたします。
♦主 催:大和文華館
♦共 催:NPO法人奈良芸能文化協
♦協力•企画:奈良市国際音楽交流協議会(ならイメック)
■出演:中野振一郎(チェンバロ)
桐朋学園大学音楽学部演奏学科(古楽器専攻)卒業。1990年「大阪文化祭金 賞」など受賞。欧米を代表する名手と肩を並べ「世界の9人のチニンバリスト」の1 人に選ばれる。1999年「ゴルトベルグ変奏曲」をCD収録し、レコード•アカデミー 賞受賞。2004年「平成16年度文化庁芸術祭•大賞」受賞。他にも受賞多数。2010 年にはチェンバロ演奏のための手引き書「チェンバロをひこう」(音楽之友社)を 出版し、後進の指導とチェンバロの普及に努めている。
■プログラム
「修道女モニク」(1722) /F.クープラン(1668―1732)
「刈り入れ」「優しい恋わずらい」「おしゃべりJ (1717)/F.クープラン(1668―1732)
「アダージオとアレグロ」 卜長調(1730) ほか。