平城京跡 国営公園化へ前進 国交省概算要求に盛り込む |
国土交通省は29日、平成20年度予算の概算要求を発表した。奈良県関係は、新規事業として要求重点事項に「国営平城宮跡歴史公園(仮称)の整備」が盛り込まれた。全国18カ所の国営公園整備事業費の要求額は全体で297億7300万円。平成22年に実施される平城遷都1300年記念事業の主会場に予定されている平城宮跡(奈良市)の国営公園化が実現に一歩近づいたことになる。荒井正吾知事は「異例の速さで概算要求していたださ感謝、感激している」と歓迎している。
世界遣産に登録されている特別史跡平城宮跡を平成20年度から新たな国営公園として事業化し、文化庁と連携しながら往時の建物の一部を復元的に整備するとともに、本格的な律令国家体制が形成された時代の都城の歴史・文化にふれあい、学び、体験するための整傭・管理を行い、わが国の貴童な歴史・文化資産を将来に継承する公園造りを進めることが目的。面積は約140ヘクタール。同省都市・地域整備局公園緑地課によると、具体的な整備内容は今後、文化庁と協議するという。
概算要求額について荒井知事は「普通であれば、まず調査費がついてから、5年から8年を経て、ようやく事業費がつく。(今回の概算要求は)破格の扱い。平城遷都1300年という節目を迎える県の最重点課題に応えていただき感謝」と高く評価。「国土交通省、文化庁、県が協力して良い地域になればと思う」と話した。
今回要望していた国営公園化の概算要求の対象から外れた藤原宮跡の国営公園化については「国営飛鳥歴史公園の拡充とともに引き続き要望していきたい。藤原宮跡については調査費をつけていただければありがたいと考えている」と今後に期待した。また田辺征夫奈良文化財研究所所長は「今回、平城宮跡の国営公園化事業が概算要求されたことについては、平城宮跡とその周辺整備が、国営公園事業により一層推進されることを期待しでいる」とコメントした。 【奈良新聞 8/30】