今年は10月25日(土)から=正倉院展 |
今年は31日(金)に天皇陛下も来奈、ご観覧される予定と聞きます。
今年の正倉院展は、工芸の優品、佩飾品(はいしょくひん)、天蓋(てんがい)の関連資料がまとまって展示されることに特徴があります。工芸晶で注目されるのは白瑠璃碗(はくるりのわん)です。これは現在のイランで製作されたと推定され、正倉院宝物中でももっとも遠方からもたらされた晶に入ります。このほか、全面に精緻な文様を彫刻した刻彫尺八(こくちょうのLやくはち)、鏡背を螺鈿による花文様で埋め尽くした平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)、木画細工が見事な紫檀木画双六局(したんもくがのすごろくきょく)などが出陳されます。佩飾品は腰帯から下げられた腰飾りのことで、美しい刺繍の帯のほか、犀角魚形(さいかくのうおがた)などが出陳され、奈良時代の貴族たちのおしゃれを見ることができます。また、天蓋の関連資料には灌頂天蓋骨(かんじょうてんがいのほね)や方形天蓋(ほうけいてんがい)などが出陳されます。天蓋は仏菩薩や貴人の頭上に掲げられた傘のことで、宝庫には木製の骨とそれに張られた布が伝わっています。このほか、思わず笑みを誘われる椰子実(やしのみ)など異色の宝物が出陳されることも注目されます。