奈良博で特別展「聖地寧波」 日本初展示の阿育王塔も |
数多くの名刹(めいさつ)が営まれた仏教信仰の聖地で、日本にもたらされた名品約175件が出展される。前、後期で展示替えがある。
「楊貴妃観音」と呼ばれる京都市・泉涌寺の観音菩薩坐像(重要文化財)は、13世紀に造られ、頭上に豪華な宝冠をいただく。宝山寺を開いた湛海が持ち帰った可能性が高く、美人祈願でも知られている。
平成12年に杭州市で発掘された銀製の阿育王塔は、現存する同製品の最高作。10世紀後半に呉越国の王、銭弘俶(せんこうしゅく)が造らせ、所蔵する浙江省博物館以外での展示は初めてという。
京都市・清涼寺の本尊で「生身(しょうじん)の釈迦」として信仰を集めた釈迦如来立像(国宝)も、7月18日から30日まで期間限定で出展。
寧波の天童寺で禅の修行を積んだ雪舟の代表作「恵可断臂図(えかだんぴず)」もある。
開館時間は午前9時半から午後5時(金曜と8月13,15,16日は午後7時まで)。原則として月曜休館。入館料は一般1200円、高校・大学生800円、小・中学生500円。問い合わせは同館、電話0742(22)7771。 【奈良新聞 6/9】
なお、この特別展にあわせて「寧波をめぐる信仰と美術」という夏期講座が8月18日(火)〜20日(木)奈良女子大学講堂で開かれる(事前申し込み制)