光明皇后ゆかりの木簡見て! |
平城京で出土した木簡の世界を紹介する「地下の正倉院展」がきょう20日から、奈良市二条町の奈良文化財研究所で開かれる。
正倉院展にあわせて毎年開いており、今年で3回目。長屋王邸跡の北側で見つかった「二条大路木簡」を取り上げる。
総数で約7万4000点を数え、ーカ所の出土例としては全国最多。二条大路の路面に掘った溝に捨てられており、旧長屋王邸に置かれた光明皇后宮との関係が深い。
一方で、藤原不比等の四男、麻呂の家政機関にかかわる木簡群を含むことから、大路の北側には麻呂邸があったとみられている。
今回の展示は約80点で、約半数が初公開。来月29日までの3期に分けて展示する。1期では、麻呂邸の勤務表や地方から届いた食材の荷札、皇后宮に奉仕した女宮などの人数表などがある。土
器の値段を書いた木簡は天平期の物価が分かる貴重な資料。
麻呂邸の家政機関で使った木簡を皇后宮で二次利用した例もあり、両者が一体で機能したことが分かるという。
渡辺晃宏・史料研究室長は「光明皇后は奈良の文化の基礎をつくった人物。ゆかりの木簡をじっくり見てもらえれば」と話している。
展示は第1期=11月1日まで▽第2期=同3〜15日▽第3期=同17〜29日。入場無料。
【奈良新聞 10/20】