唐招提寺 秋の写経会に参加 |
鑑真和上像の御厨子が開いていてお姿が拝める位置の机に座を占める。覆面軌を着け、墨をすり心を落ち着けてからいよいよ「般若心経」を書写する。三行づつの折り本を手本に間違わないように口で唱えながら、一字一字ユックリと丁寧に書き始める。薄墨の文字があるわけでないので、ウッカリすると書き誤る可能性がある。緊張のひとときである。多くの人が居られるのにシンとして音一つしない。約一時間かかって書写を終わり、願文や住所・氏名・年月日を巻末に書き入れる。
像前の経机に奉納し、焼香礼拝して退室する。
別室でお薄を一服頂戴して(干菓子は軒丸瓦と鵄尾を象った何時ものもの)、僧侶の方に来年の春に復元像が完成したら、写経会は終わるのかお尋ねしたらまだ暫くは続くとのお話だった。記念品に「写経筆」を頂戴する。
開山堂を後に御廟に詣って帰る。門前右手のハギが未だ濃い赤紫の花を付けて咲いていた(境内金堂前のハギは既に終わっていたが……)。