「大和路秀麗八十八面観音霊場」巡り(3) |
十一面観音像は当寺の本尊で、光明皇后が自ら刻まれた十一面観音像をもとにして、鎌倉時代に慶派の仏師により造立されたといわれる。
檜材で金泥が施され、条帛・天衣を掛け、裳・腰布をつけており、頭に天冠台・冠帯・左右垂飾、身は頸飾り・垂飾・瓔珞、手には臂釧・腕釧をつけています。衣の部分の彩色は朱・丹・緑青・群青など諸色の地に唐草・格子に十字などの諸文様を切金で表したもので、縁取りや区画の境界線に二重の截金が多用されています。頭飾および装身具は精緻を極め、すべて銅製鍍金で透彫りを多用し、垂飾には諸色のガラス小玉と瓔珞片を綴ったものを用いています。 像は精巧入念な作で、頭・体のプロポーション、頭部の自然な俯きに優しい手の動き、腰のひねりに巧みに応ずる右足の遊ばせ方など彫刻としての基本的なデッサンは確かなものがあり、衣の文様表現では彩色より截金が主座を占め、頭飾装身具では、透彫りの技巧の細かな点に注目できます。
像高 94センチ 鎌倉時代
春秋の特別な時期には御厨子の前に掛けられた帳があけられるが、その時期ではなかったので帳の間からお姿を拝した。今年はユキヤナギの侯にも訪れているが、ヒッソリした雰囲気のお寺である。
他に文殊菩薩像(鎌倉時代 国重文)、愛染明王像(室町時代 市指定文化財)、不動明王像、毘沙門天像(平安末〜鎌倉初期)などが祀られている。また、西金堂には五重塔が安置される。