平城京左京三条二坊宮跡庭園 復元30年で初改修 |
本年度は庭園のほぼ中央にある石組み池の西に位置する高床式の復元建物(建築面積約160平方m)の檜皮(ひわだ)のふき替えや、池の傷み具合についての調査費など約1億円を見込む。改修は平成28年度までの5年間を予定している。
宮跡庭園は昭和50年、奈良郵便局庁舎移転計画に伴う奈良国立文化財研究所(当時)の発掘調査で見つかった。玉石を敷き詰めた長さ55m程のS字池を中心に、周囲には掘っ立て柱建物などを配置。平城宮に伴う宴遊施設か、皇族などの邸宅跡とみられている。
発掘調査は昭和55年に終了。53年に特別史跡に指定。復元整備は56、57の2カ年で行われ、平成4年に特別名勝にも指定された。
改修工事は今年7月、文化庁から現状変更許可を受け、約1億2千万円をかけて復元された建物について、傷みが激しい屋根の檜皮のふき替えを初めて実施。来年度には柱の塗り替えを予定する。露出展示している池も本年度から市文化財課の調査が始まる。
宮跡庭園は、敷地の一角にあった市史跡文化センターが老朽化で解体され、24年度に再オープン。年間2~3千人の入場者がある。