古郡奈良と京都を結ぶ知られざる物語 |
醍醐寺の歴史は、貞観16年(874)理源大師聖宝が京都山科の笠取山山上に准砥・如意輸の両観音像を安置したことに始まります。以来、真言宗小野流の中心寺院として発展してきました。
醍醐寺は、創建以降奈良とも深い関わりを持っています。聖宝は若き日に東大寺で修学を重ね、鎌倉時代初めに東犬寺再興の指揮をとった重源は、醍醐寺の出身でした。さらに、吉野を拠点として活動した修験道当山派は、大峯修行を再興したとされる聖宝を祖と仰ぎ、醍醐寺三宝院門跡が当山派の棟梁となります。
こうした長きにわたる醍醐寺の歴史は、修法の記録や研究の成果である聖教、権力者との遺り取りを記す古文書によって、詳細に知ることが出来ます。膨大な文書聖教群が数百年の時を超え維持されてきた背景には、僧侶による並々ならぬ努力がありました。このたび平成25年に6万9378点に及ぶ醍醐寿文書聖教が国宝に指定されたことを記念し、醍醐寺の歴史と美術をたどる特別展を開催中。〜9月15日(日・祝)まで。
■主な出陳品
◇ 国宝 醍醐寺縁起(醍醐寺文書聖教のうち) 京都・醍醐寺
※巻き替えあり
◇ 重文 五大明王像(五大堂安置) 京都・醍醐寺
◇ 重文 弥勒菩薩坐像 快慶作 京都・醍醐寺
◇国宝 天長印信 後醍醐天皇筆 京都・醍醐寺 ※展示期間:7/19~8/17
◇ 豊臣秀吉像 京都・醍醐寺
■醍醐寺のすべて展構成
第1章 醍醐寺のなりたち ー理源大師聖宝ー
第2章 密教寺院のすがた
第3章 密教の祈り ー修法と本尊画像ー
第4章 白描図像の世界
第5章 受け継がれる教え ー三宝院流の相承ー
第6章 醍醐寺と修験道
第7章 繁栄の歴史 ー秀吉と「醍醐の花見」ー
出陳件数 192件 うち国宝62件、重文85件