鷺池に土砂流入し景観台無し。除去しても、また・・・・ |




堆積土砂は、春日大社境内地内から池に流れ込む水路をたどって流入して湖底に沈む。水深が1m程度しかない他の東端では、今や完全に池が埋まって「陸地」になっており、その面積は約100平方m。陸地の先にもアシが茂る場所があり、相当量の土砂が堆積していると推測される。今月8日、地元の奈良市飛鳥地区の東大路自治会から、市を通して県に、土砂撤去して池を改修するよう要望書が提出された。県は経費約4000万円を予算化し、観光などのオフシーズンに撤去工事を行う予定で、景観の回復に努めることにしている。


鷺池(別名蓬莱池、面積約1万2000平方m)は「奈良公園史」によると明治21年に潅漑用に荒地が築造されたのに続き、同41年、その上流に貯水池として造られた。当時は鷺原池とも呼ばれたといい工費は1563円30銭だったと記載されている。44年から民間の貸しボートの営業も始まったといい、大正5年には木造桧皮葺き八角堂の浮見堂と朱塗りの蓬莱橋が完成。お堂は平成3~6年に橋も22年に改修し水辺の景観は奈良公園にもう一つの表情を与えている。
一方で、雨水などによる土砂流入は止まることなく続き、土砂の撤去など池の改修は概ね4~6年ごとに繰り返されている。
土砂堆積は景観問題のほか、夏場を中心に水の濁りや臭いの問題が指摘されることも。近年はゲリラ豪雨など土砂堆積が急激に進んでいるとの見方もあり、抜本的な対策も必要とみられている。
地元では「大勢の観光客が訪れる人気スポットであり、陸地になったり草が茂ったりでは景観を損ねる。早期に改修してほしい」と話す。奈良公園事務所では改修工事と共に、今後土砂の流入を抑制する手立ても検討、文化庁の承認も得て取り組みたいとも話している。