瓊花の花と写経会=唐招提寺 |
鑑真和上の御廟のそばと、御影堂供華園では、和上の故郷、中国揚州から送られた瓊花(けいか)の花が、春の終わりと夏の到来を告げるように、小さな白い花を咲かせる 。唐招提寺の瓊花は、鑑真和上遷化1200年の昭和38年(1963年)に、揚州から贈られたもの。隋の煬帝がこの花をいたく気に入って門外不出にしたため他に東大寺(勧進所)、岐阜県関市の薬草園「神薬才花苑」などでしか見る事はできないという。
ガクアジサイに似ているが、大きな違いは香り。瓊花は果物のようなたいへん良い香りがするのです。この瓊花の香りを味わうことのできる特製のお香が、唐招提寺の売店で販売されています(天平香 瓊花)。低灌木であるアジサイと違い、瓊花はしっかりとした木で高さ4~5メートルにもなる。開花時期は4月中旬から5月上旬で、開花するとこの期間にのみ御影堂宸殿の脇にある御影堂供華園(みえいどう・くげえん)へ入ることが許される。昨年は4月26日に訪れている。
昨年は4月下旬から5月6日の連休まで公開されたが、今年は1週間ほど早く咲き出し昨日の昼のニュースで報道された。早速多くの人が訪れて賑わっていた。御影堂前庭にも1本の瓊花が植えられていて、花は見えるが立入が許されないので、遠くから眺める。これは昭和天皇が植樹されたものという。
◆写経会
御影堂の平成大修理結縁の写経会が昨日・今日の二日間、今までは御影堂で行われていたが修理に入ったので、本坊客殿で行われた。今までの鑑真和上座像の前での写経と違い、画像の前での写経だが書き始めると忘れてしまい、ただ一心に筆を進める。灯りが乏しいので老眼の身にはいささか厳しいが、誤らないように一字一字慎重に筆を進める。今回は何時もより時間がかかり書き上げるのに1時間を超えた。仏前に提出し焼香礼拝して退室する。東室の一室でお茶を頂戴して一息をつく。御干菓子は何時もの鴟尾と軒瓦の2種。東山魁夷画伯による“光”1字と蝋燭の絵の扇子を頂く。廟所へ詣って帰る。