平城宮跡二條大路を横切る未知の溝 |
▽平城第566次調査
積水化学工業工場の移転に伴う史跡朱雀大路跡整備のため、3月上旬から東西2カ所の調査区で計約684平方メートルを調査した。
南北溝は朱雀大路から約90m離れた西側調査区で約8mにわたり確認。幅約3~3.8m、深さ約80cmで、二条大路の南側溝に接続していた。二つの溝の合流点が深くなっていることから、水が道幅約37mの同大路を横断して北から南へと流れ、南側溝に注いでいたと推定される。
同大路に溝を渡る橋などの施設があったとみられるが、遺構は見つからなかった。溝は平安時代初期、同大路と一緒に埋められたとみられる。
また、東側調査区では朱雀大路西側溝(最大幅5・5m、深さ1.3m以上)が見つかり、西側の南北満と同様、二条大路を横断し同大路南側溝とT字形に接続していた。
平城宮周辺の地形は、なだらかに北から南へ傾斜。地下からの湧き水も多く、排水には工夫が必要だった。
一般向けの現地見学会は今日午前11時から午後3時まで行われている。暑さのせいかやや参加者が少ない印象で11時からの説明が始まった。