奈良公園南に高級ホテル想定 |
名所浮見堂がある鴬池の南に隣接し、かつて文化人らが集う邸宅があった場所。コンセプトは「庭園・茶の湯文化を感じられる場」とし、県が昨年12月26日に公募型プロポーザルによる事業者の募集要項を公表した。東京五輪のある20年までの整備を目指す。
計画では、県が改めて来年度から茶室の再現とともに庭園遺構の整備事業を実施。跡地北側の茶室を含む約7000平方メートルに茶室や待合室を再現して、有料で一般の来場者も庭園を鑑賞できるスペースにするほか、庭園の一角には飲食施設も併設する予定という。
さらに事業者が宿泊・飲食施設を造る。宿泊施設は跡地南側の約4000平方メートルに建設する。施設は2階建て程度、客室も1室50平方m以上と広めの設定で、10~20室の高級ホテルになりそうだという。埋蔵文化財があるため松林院跡は保存する。
公募は、提案内容を評価するプロポーザル方式で行い、来年4月上旬までに優先交渉者を選び、平成31年度中の開業を目指す。
ただ跡地周辺の一部住民からはホテル建設の反対運動が起きており、跡地近くに住む男性は「最近、観光客が増えてきて騒がしい。静けさを取り戻したい」と訴えているという。
前に取り上げたように、県庁東側の知事公舎一帯(3・2ヘクタール)でも宿泊施設を整備する事業者を公募中で、奈良公園室の担当者は「高級ホテルを誘致し、観光地としての奈良の価値を高めたい」と話している。