23日、24日は元興寺の地蔵会 |
■元興寺の地蔵会
23、24日。両 日とも17~21時。本堂での法要に続き、境内浮図田 で水塔婆供養。祈願を墨書した 灯明皿による万灯会。
堂内には書画の行灯が献納される。
℡: 0742 (23)1377。
■「元興寺」地蔵会の歴史
元興寺は、我国で最も古い歴史をもつ寺院で、現存唯一の官大寺僧坊の遺構です。この寺は、上代においては三論、法相の教学所として、平安時代には真言、浄土の霊場として、また中世以降は、納骨の律院として信仰を得てまいりました。今日 では、ユネスコの世界文化遺産のひとつに登録されています。
中世以来の元興寺庶民信仰は、様々な内容と形態をもって世間に広まっていましたが、中でも地蔵信仰は最も盛んでありました。
毎年八月二十三日、二十四日の両日に亘って執り行う元興寺地蔵会は、前記の伝統を受けつぐもので、有縁無縁一切霊等を追善し、また家内の繁栄と子供達の健やかな成長を、そして世界の平和を地蔵大菩薩に祈願する行事でもあります。
■供養次第 <写真は何れも昨年の撮影によるもの>
地蔵会供養は、法要(地蔵尊供養)•塔婆供養•万灯供養•地蔵尊御影配布と模擬店•奉納演奏の行事からなります。 地蔵尊供養は、曼荼羅堂(国宝•極楽堂)の須弥壇上に地蔵尊を奉安し、法要を執り行います。
塔婆供養は、五輪塔形の塔婆(経木)に祈願を墨書し、浮図田前庭でその一枚毎の 供養を加持し、浮図田の最奥に設けられた祖師苑で浄水を掛ける水塔婆供養を施します。
万灯供養は、両日の夕刻より、祈願を墨書した灯明皿に、菜種油を注ぎ藺草の灯芯に点火します。灯明皿は土に還るべく低火度で焼成したもの。菜種油は、菜の花プロジェクトより、また、藺草の灯芯は、奈良県安堵町歴史民俗資料館灯芯保存会から献納されたものです。
地蔵尊御影は、奉納された地蔵菩薩の版木による御影です。各家のお守りとして柱など、目の高さより上に祀って守護を願ってください。
元興寺地蔵会は、昭和二十三(1948)年に復興された宗教行事で、曼荼羅堂に掲げられる各界知名士奉納の行燈絵などが初志の行事を今に伝えます。現在の灯明を点じての供養は、昭和六十三(1988)年、浮図田の整備とともに、その作法として発意したものです。
浮図田とは、石塔•石仏(浮図)類を田圃の如く並べた中世の供養形態を示しています◦その正面には日本スリランカ友好親善の記念としてスリランカ型佛足石が祀られています。