31年から巴里洋行する興福寺の仏像 |
◆興福寺の金剛力士阿•吽形像、木造地蔵菩薩立像
=ギメ美術館で友好記念160年
奈良県は、興福寺の木造金剛力士立像阿形像•吽形像(国宝)と木造地蔵菩薩立像(国重文)の 計3体を、平成31年1 月23日から3月18日まで、フランス•パリのギメ東洋美術館で展示すると発表した。
日仏友好160周年を記念し、日本文化を紹介する行事「ジャポニスム2018:響きあう魂」 (30年7月~同31年2 月)の公式企画として実施するというもの。32年の東京五輪を見据え、県内への外国人観光客の誘致を図る狙いがある。
木造金剛力士立像の 阿形像(像高154cm、吽形像(同153.7cmは、いずれも鎌倉時代の作でヒノキ材の寄せ木造り。もとは鎌倉再興期の同寺西金堂須弥壇にあり、 現在は国宝館(休館中) に安置され、今月19日まで仮講堂で特別公開されていた。
一方、木造地蔵菩薩立像(象高139 .7cm)はヒノキ材の一木造りで、平安時代初期の仏像の特徴を持つ。
県は平成28年6月、 海外での奈良の仏像公開を目指し、専門家や文化庁などの関係者で構成する委員会を設置。県内の主要寺院と出展する仏像の交渉を進め、興福寺と会場のギメ東洋美術館との協議により3体の仏像展示を決めた。
国宝や重文の海外展示を都道府県主導で 行うのは珍しく、イギリスの大英博物館での実施も検討してい る。
県文化資源活用課の 担当者は「素晴らしい仏像の展示を行うことで、奈良の魅力をヨー ロッパの人にも知ってもらい、実際に足を運んでほしい」としている。