東大寺総合文化セン ター 改装のため来春から〝休館〟 |
目下、興福寺国宝館が耐震掃除のために休館しているが、東大寺でも東大寺ミユージアムを含む「東大寺総合文化センター」を、改装のために来年4月16日から9月14日まで休館すると発表した。
文化財保護のため、 すべての照明設備をLED(発光ダィオード)に変更。 改装工事期間中、弥勒菩薩坐像(国宝、平安時代)をはじめミュージアムの仏像の一部は、宮城県多賀城市の東 北歴史博物館で開かれる東日本大震災復興祈念特別展 「東大寺と東北復興を支えた人々の祈り」(来年4月 28日~6月24日)で展示される。
同ミュージアムは南大門北側に平成 23年10月に開館した。現在はかって四月堂にあった木造 千手観音立像(国重文、平安時代)を 本尊とするミュージアムのほか、収蔵庫や同寺図書館、金鐘ホール などを備えている。
当初は文化財への影響を考慮し、ミュージ アムの照明を熱や紫外線の発生が少ないLE D照明で設計。しかし色合いなどの問題から一部からは電球を用いラれていたが、熱や紫外線の発生の少ない照明が可能になったので、外国人の利用増加も併せて説部改善を図ることになったという。
◆仏像の一部は宮城で特別展
一方、「東大寺と東北復興を支えた人々 の祈り」は、重源上人坐像(国宝)や公慶上 人坐像(国重文) など寺宝を中心に約150点を展示するという。東大寺 は大仏造営に陸奥国小田部(宮城県)で産出した金が使われるなど 古くから東北との関係があり、震災からの一 日も早い復興を願って 初めて東北で大規模な寺宝展を開催することになったという。
東大寺の寺宝が東北で一堂に会するのは初めてのことです。東日本大震災の復興に取り組んでいる東北のためにと、東大寺の特別協力によって実現しました。
東大寺の寺宝が東北で一堂に会するのは初めてのことです。東日本大震災の復興に取り組んでいる東北のためにと、東大寺の特別協力によって実現しました。
2.国宝17点、重要文化財25点―貴重な寺宝や史料を公開! 東大寺が大切に伝えてきた寺宝を中心に約100件150点を展示します。このうち、国宝は東大寺の復興を語るうえで欠かせない「重源上人坐像」をはじめ8件17点、重要文化財は「公慶上人坐像」など21件25点ほかで、大規模な展覧会が宮城・多賀城の地で実現します。
3.東大寺の復興と東北との関わりを重視した構成東大寺の盧舎那大仏造営には陸奥国小田郡(現在の宮城県)で産出した金が用いられ、東大寺と東北のつながりが創建当初から認められます。鎌倉時代、江戸時代の復興も東北とのつながりがあり、東大寺と東北との関係を構成に盛り込んでいることが本展の大きな特長です。
更に「東大寺・奈良を彩る花の襖絵展」も併せて展示される由。