史料保存館 夏の企画展示 |
◆奈良町の信仰 ー講の行事とその史料一
奈良町に住む人たちが受け継いできた伝統文化のひとつに、神仏などに対する信仰にまつわる行事があります。今回の展示は、奈良町に伝わる信仰について、“講”と呼ぶ行事を通して紹介します。
講は、もともと仏教の言葉で、仏典を研究する学問僧の研究集会がその起源とされます。時代が下るにつれて、仏教以外の様々な信仰行事や、それを行う集団も意味するようになり、庶民の間でも様々な講がつくられます。奈良町でも『南都年中行事』(元文五年(1740))のような年中行事を記した地誌や各町の記録から、現在は途絶えているものも含めて、多くの講が営まれてきたことがわかります。
今回の展示では、春日社の神様を祭り、奈良町中で営まれた春日永代太々神楽講、観音菩薩や地蔵菩薩を本尊として行事を行う観音講、地蔵講、大峰山・富士山という霊山への参詣を目的とした山上講、富士講をとりあげます。これらの講に伝わってきた史料や祭壇、町の記録などを通して、近世奈良町の人々の信仰と行事について紹介します。
▽主な展示史料
5月2日~6月18日 富士講・春日永代太々神楽講・観音講
・瓦町旧蔵富士講資料 江戸時代
・春日永代神楽記 安永六年(1777)(内侍原町自治会)
・井上町 町中年代記一番(井上町有)
6月20日~8月6日 山上講・地蔵講
・瓦町旧蔵山上講資料 江戸時代
・紙本著色地蔵菩薩像 江戸時代(肘塚椚町自治会)
・萬大帳 九番(東向北町有)
▽展示関連イベント
館員の展示解説(申込不要)場所:史料保存館
(1)5月20日(土)午後1時半~
(2)7月15日(土)午後1時半~約30分の予定
▽奈良町にぎわいの家出張展示(申込不要)
「タイムトラベル奈良町~奈良町の信仰 山上講・地蔵講~」
「奈良町の信仰」展にあわせて、奈良町にぎわいの家で、奈良町の信仰に関連した史料の一部を出張展示し、史料保存館の館員が史料の解説を行います。
日時:7月8日(土)午後1時~4時
解説:午後2時から約30分
会場:奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5)
費用:無料
▽ガイド付きツアー/「もっと知りたい“奈良町の信仰”」
日時:7月23日(日) 午前9時集合・午前9時半~正午
コース:近鉄奈良駅行基前広場集合~中新屋町地蔵堂~椚神社~上街道常夜燈~京終地蔵堂~飛鳥神社~交通安全地蔵~史料保存館解散
※史料保存館で館員の展示解説があります。
費用:200円 申込締め切り:7月15日(土)
申込・問い合わせ:なら・観光ボランティアガイドの会
電話 0742-27-9889 Eメール suzaku97@m3.kcn.ne.jp