平城宮跡 現地説明会開かれる=9月28日(日) |
★第一次大極殿院西面築地回廊の調査
独立行政法人国立文化財機構
奈良文化財研究所都城発擬調査部く平墳遡区)
1.調査の目的
来たる2010年をもって、平城京は遷都1300年を迎えます、この遷都1300年に向けて、大極殿院正殿の復原をはじめとした様々な計画が予定されています。また、平城宮跡の整傭は2010年以降も継続され、そのなかには第一次大極殿院の築地回廓の復原も案のひとつとして盛り込まれています。
そこで、当研究所では、築地回廊の復原に先立って回廊の発掘調査を終えて、その全貌を明らかにすることとしました。すなわち、今年度、南面築地回廊(平城第431次調査)の調査を皮切りとして集中的に回廊を調査することにしました。
4.調査のまとめ
今回の調査成果は、下記のようにまとめるこξができます。
①今回確認できた凝灰岩暗渠(436次)と掘立柱塀の門(437次)は、過去の調査で、東面築地回廊の対称位置でも確認されています。すなわち、第一次大極殿院の築地回廊が東西対称につくられていることを再確認することができました。
②築麹回廊にともなう東雨落溝を良好な秩態で検出することができました。さらに、それは2回つくりかえられており、それぞれ礫の大きさなどが異なることが確認できました。
③南北方向の掘立柱塀を検出し、礎板として磚を用いていることが再確認できました。いっぼう、東面の掘立柱塀ではこのような工法は認められていません。すなわち、西面の掘立柱塀にのみ丁寧な仕事が施されていることになります(写真:右)。このことから、軟弱な地盤に柱を立てる場合、柱の沈下を防ぐ工夫を施していたことがわかります。
④平城宮跡で初めてせん(土偏に専)仏が出土しました。そめ意義を明らかにすることは今後の課題ですが、貴重な例であることには達いありません。