平城宮跡・第一次大極殿正殿に四神を描く |
世界遺産・平城宮跡(奈良市)で文化庁が復元を進めている第一次大極殿正殿の内部に、玄武、朱雀などの四神が描かれることが分かった。平城遷都1300年にあたる2010年に、華やかな一飾とともによみがえことになった。
四神は古くから中国に伝わる思想で、東西南北の各方位を守る守護神の青竜、白虎、朱雀、玄武。キトラ古墳や高松塚古墳の壁画(高松塚古墳は朱雀を除く)=ともに奈良県明日香村、7世紀末〜8世紀初め=に描かれており、奈良時代に天皇の即位式など重要な国家的儀式をした大極殿正殿にも描いていた可能性があるとして復元に生かすことにした。
奈良文化財研究所によると、東西南北の天井と柱の間にある白土の壁の中央に四神をペアで、さらに十二支を時計回りに一周するかたちで、日本画家の上村淳之さんが描く。朝鮮半島にある高句麗時代の古墳に四神を一対ずつ描いた例があるとい一つ。
奈良文化財研究所の窪寺茂・建造物研究室長は「装飾はただの飾りではなく、その空間を象徴化するもの。方角の守り神の四神や十二支は、大極殿にふさわしいモチーフ」と話している。、【花澤茂人】 【毎日新聞 10/3】