薬師寺東塔、平成23年から解体決まる |
古代寺院を代表する建築物の一つ、奈良市西ノ京町の薬師寺東塔(国宝)の解体修理が、平成23年に始まることが決まった。同寺が27日、明らかにした。総事業費は約21億円で、同31年春の完成が予定されている。県教育委員会による事前調査は7月から行われる。
全解体は明治31年以来、約百年ぶり。東塔は奈良時代に建てられ、心柱の空洞化や礎石の沈下など傷みが進んでいる。
事前調査では、「常時微動」と呼ばれる日常的な揺れを調べるほか、地質のボーリング調査も行う。9月ごろから足場を組んで軒先の傷み具合を調べ、来年2月までに一旦撤去、春と夏の観光シーズンは美しい姿が拝観できる。
覆屋の建設が始まるのは来年9月の予定で、翌23年度には県教委文化財保存事務所が解体修理に着手する。同寺は企業などに寄付を呼び掛けるほか、国、県、市の三者が事業費を補助する。
安田暎胤管主は「薬師寺の象徴であり日本の宝。千年先の未来に伝えるため、しっかり調査して継承したい」と話している。
【奈良新聞 1/28】