生まれ変わるJR旧奈良駅舎 |
昭和初期から奈良の玄関口のシンボルとして親しまれたJR旧奈良駅舎。駅の高架化に伴い、その役目をいったん終えたが25日、奈良市総合観光案内所(奈良市三条本町、約485平方m)として生まれ変わり、開所する。
同駅舎は昭和9年の建築で、洋風の建物と、中央に相輪を乗せた寺院風屋根が特徴の和洋折衷。JR奈良駅連続立体交差事業に伴い、解体される予定だったが保存を求める声が上がったため「曳(ひ)き家工事」で主屋部分を約20m移動させ、保存することとなった。
観光案内所は案内▽情報検索▽イベント観光▽展示▽休憩—の5ゾーンに分かれ、中央にあるイベント観光ゾーンは奈良文化財研究所が平城宮跡第一次大極殿正殿の復原のデータ収集のため製作した柱と組み物を設置し、実物大の柱が体感できるようにした。案内ゾーンでは業務委託する市観光協会職員やボランティアガイドらが観光案内をするほか、宿泊観光客が身軽に散策できるよう、荷物を宿泊ホテルに配送するサービスも検討している。展示ゾーンは来年7月にオープンカフェを開設する予定。
藤原昭市長は「問い掛けを待つだけでなく、こちらから手を差し伸べられる観光案内所にしたい」と話している。案内所は年中無休。午前9時から午後9時まで開館する。開所式は25日午前10時から。 【奈良新聞 7/23】