もうすぐ帰られる! 奈良博へ |
楊貴妃観音の体内に埋納された「五輪塔」は、五輪塔が我が国で創成された塔婆と考えられているところから日本から持ち込まれたものではないかと考えられる。観音像は泉涌寺の開祖俊芿(しゅんじょう・号は不可棄 1826~1887)の弟子湛海が1230年に南宋から持ち帰ったという。
写真左:泉涌寺・観音菩薩坐像(楊貴妃観音)、右:清涼寺・釈迦如来立像
以下は、毎日新聞の記事転載
>日本と中国の海域交流の窓口となり、日本の仏教に大きな影響をあたえた中国・寧波(にんぽー)をテーマにした特別展「聖地寧波 日本仏教1300年の源流」が、奈良市登大路町の奈良国立博物館で開かれている。8月30日まで。 【花澤茂人】
中国を代表する港湾都市・寧波は、最新の仏教文化が栄えた地として古くから日本人を魅了。観音信仰の普陀山や、舎利信仰の聖地・阿育王山などには数多くの日本人僧が訪れた。日本の禅宗を代表する栄西、道元らも、寧波の天童山で学んだ。
今回は関連する仏像や仏画など約175点展示。京都・清涼寺の国宝「釈迦如来立像」(展示は今月30日まで)は、平安時代に東大寺の僧が中国にあった像を写したと伝わる。基になった像は釈迦の生存中にその姿を彫ったと信じられ、日本でも天竺・中国・日本の「三国伝来の生身の釈迦」として絶大な信仰を集めた。
京都・泉涌寺の重文「観音菩薩坐像」(展示は8月2日まで)は、13世紀に南宋から持ち込まれたとされる。奈良博のX線調査で、胸部に五輪塔が納入されていることが確認された。つりあがった目など日本の仏像とは違った様相で、江戸時代から「楊貴妃観音」と呼ばれる。
8月30日まで、月曜日休館(8月17日は開館)、午前9:30〜午後4:30(金曜日と8月13〜16日は午後6:30)。
問い合わせは奈良博(0742-22-7771) 【毎日新聞 7/28】