大極殿の額 正面堂々 |
奈良市佐紀町の平城宮跡で復元が進む、第一次大極殿の額が姿を現した。縦約3.2m、横約3.1m。長屋王が発願した写経から文字を取り、古代の額を基に形を復元した。威容を誇る大極殿の正面を飾っている。
奈良文化財研究所などが考証を担当。額縁がせり上がる立体形で、固定用の肩と脚が張り出す形に復元した。
字体にもこだわり、第一次大極殿の完成当時に書かれた「長屋王願経」から採用。楷書で勢いがあり、長屋王が和銅5(712)年に発願した大般若経の願文に3文字が含まれていた。
平城京への遷都は和銅3(710)年だが、第一次大極殿の完成は同8(715)年と考えられている。
額縁には鮮やかな繧繝(うんげん)彩色が施されており、京都市の教王護国寺(東寺)に伝わる国内最古の彩色額にならった。
覆屋の解体は年内に終了する予定で、来年の平城遷都1300年祭では大極殿前がメーン会場となる。
同研究所の渡辺晃宏・史料研究室長は「字体も形も完成当時の大極殿に合っている。平城宮の中心建物にふさわしい額になった」と話している。
【奈良新聞 9/2】