平城宮跡歴史公園で「映像展」 |
◆保山耕一さん「時の雫」トークイベントを聞く
今年オープンした平城宮跡歴史公園の中に出来た「平城宮いざない館」で、「美しき奈良」というタイトルで、2つの展覧会が催されている。
作者はテレビカメラマンとして、世界中の自然や歴史・文化遺産を撮影してきた映像作家という。癌との戦いの中で撮影した平城宮跡を初めとする美しい奈良の映像を映写すると共に、撮影の思い出や条件などを語られたが、写真を撮る者として参考になることも多かった。これらの風景は特別なものでは無く当たり前の風景だという。何時行っても写真になる平城宮跡と云われるが、二重虹が大極殿に懸かるシーンなどは、自分も消える直前に家から見た記憶が有るが、全景やアップともに美しく捉えられていたり、明日香村細川の棚田(夕景の棚田を撮影する名所)などでは、人口が減り、棚田の維持管理が出来ないだけでなく、儲からないという事の中で、1人のお年寄りが守っておられる現状を話された。同村八釣では綺麗な景色の横に産廃処理場が有り、耐えられない悪臭が常に漂う話など、今まさに郷愁に溺れているだけではどうなるのかという、ふるさとの姿が熱っぽく語られた。
奈良は飛鳥の昔から連綿として〝時間〟が続いている。春日大社の御造替が20年ごとの意義、大極殿の復原が興福寺中金堂の再建に繋がること等も話された。
これらの作品は12月28日まで公開されているほか、岡田庄三さんの写真展「平城宮跡の今昔」も同時に開催されている。