発掘作業を見て、遺跡に理解を! |
《橿原・南曽我遺跡を公開=元興寺文化財研究所》
元興寺文化財研究所(奈良市)は29日、橿原市曽我町の南曽我遺跡で行っている発掘調査の様子を公開すると発表した。「現地説明会」は調査終了後が基本だが、遺跡への理解を深めてもらおうと、「関西考古学の日」に合わせて企画した。
6月中旬から約6000平方メートルを調査しており、弥生時代の方形周溝墓や溝、奈良時代の井戸跡などが見つかっている。埋没した古墳の濠ではニワトリ形埴輪(はにわ)も出土。
公開は10月1、8、13の3日間で、いずれも午前10時〜正午と午後1時半から同3時半。13日は土器洗いの体験コーナーも設ける。
調査中の公開は来訪者の安全確保や駐軍場の間題に加え、事業者側の了解を得る必要もある。このため、終了間際に「現地説明会」を開くのが通例だ。
今回は現場が広大なことなど条件が整い、初の公開が実現した。溝から土器を取り上げる様子などが見学できる。研究員による説明もある。
狭川真一研究部長は「発掘といえばはけや竹べらのイメージだが、実際の現場では重機やベルトコンベヤーも動いている。意外に激しい重労働で、遺構がどのように検出されるか見てもらえれば」と期待する。
「関西考古学の日」は埋蔵文化財の調査に携わる近畿地区の11財団法人が実行委員会を組織。今年が初めてで、9月から11月にかけてさまざまなイベントを行う。
雨天の場合は作業自体が中止。現場は橿原バイパスの東側で長寿村跡地。駐車場あり。間い合わせは、同研究所西ノ京分室、電話 0742(34)0831。
【奈良新聞 9/30】